末永く活用してもらうことが前提だから、材質とデザインにも徹底的にこだわった。Raspberry Pi本体を固定する底部(開発コード名:バスタブ)はアルミニウム合金製、しかも削り出し。表面は艶消し黒色アルマイトの梨地仕上げ、コンパクトながらも重厚感ある佇まいを目指した。ケースのみの重量は170グラム・最厚部は3ミリ、重厚感とポータビリティが均衡するギリギリの線だ。

Raspberry Piは特別設計の部品で”バスタブ”に固定される。USBポートとEthernetポートを覆う部分(リアパネル)は着脱型構造を採用、わずかに突き出したステレオミニプラグとHDMI、そしてUSB Micro-Bプラグもスムースに所定の位置に納まる。一見ではどうということのない部分だが、3Dモデリングソフトと3Dプリンタを駆使し、ミリ以下の精度で慎重に設計されている。ユーザによりRaspberry Piの取付位置がわずかにずれることを見越しつつ、プラグ用の孔を開けなければならないからだ。

Raspberry PiとHATの間に厚さ1.5ミリの銅製プレートを設置できる構造も、こだわりどころ。Raspberry Pi 3には、オンボードでワイヤレスモジュール(Wi-Fi/Bluetooth対応)が搭載されており、これはノイズ発生源でありオーディオの見地からは忌避される存在だが、安易に無効化はできない。曲操作を行うためには、スマートフォン/タブレットと通信せねばならないからだ。Raspberry Pi上のSoC(BCM 2837)やUSBチップが発するノイズも無視できない。それらの影響を抑えることが、銅製プレートを用意した狙いだ。

前面/側面の交換パネルは、ネジ止めせずに上蓋と挟み込む形で固定する。ネジ止め設計を採用しなかった理由は、前面/側面ぎりぎりの位置に端子をレイアウトしたHATが少なからず存在するためだ。振動を防ぐためには交換パネルと”バスタブ”が接する部分の構造をミリ以下の精度で指定せざるをえず、材質をケースと一致させようとすると生産できる工場は限られてしまうが、ワンボードオーディオ・コンソーシアム加盟社には3Dデータを提供する方針であり、今後本製品に搭載可能な(交換パネルが提供される)HATが続々登場することだろう。

厚さ約2mmの銅板が付属する

Raspberry Piと拡張ボードの間に挟みノイズ低減を狙う